さては、人身御供
今年に入り、米騒動が急浮上してきた。
コメの急激な値上がりから、国内のコメ不足が露呈。
小泉新農相の鶴の一声で、緊急時の為の備蓄米を低価格で放出した。
備蓄米は、非常時国民が1〜1.5ヶ月飢える事のない様100万t備蓄する事を定めている。
その備蓄米は、何らかの理由で手をつけた分、政府は速やかに買い戻ようになっている。
業界紙一面には
小泉農相に変わった途端、随意契約でインターネット販売やコンビニでも販売できる様にし、
旧来の個人商店の米屋さんは、対応に苦慮している。
そこで今朝の道新
日本人の米の消費量は年間700〜800万tと言われているが、それに上乗せして手をつけた備蓄米100万tを速やかに備蓄し直さなければいけない。
紙面では、大規模な水田農家は増産に舵を切り始めているがこれはほんの一部の農家にすぎず、
大半は小規模農家であったり、加えて高齢化も進んでいる現状では、急激な増産は難しい。
政府もコメの増産に向け、政策指示を出しているが、農家に手厚くすれば財政支出は膨大になるし、
不十分であれば離農加速の恐れがあると、コメの安定供給と農家の経営維持の両立に向け、
難しい舵取りが迫られると新聞には載っている。
しかし何も難しい事は無い。
国民を飢えさせない事を大前提に考えるなら、供給力では無く自給力の向上である。
すると何が最優先か、自ずと答えは出てくる。
農水大臣は農協をぶっ壊すと称して、なし崩し的にコメまで自由化の俎上に乗せてしまうのではないか。
何てったって自民党をぶっ壊すとして郵政民営化を強行した小泉純一郎の息子だからな...
アメリカファーストをさけぶトランプ大統領の過激な関税政策に対して、赤澤大臣も自動車を売る為アメリカでの
余剰農産物(トウモロコシや大豆)を大量に受け入れる用意もしているようだし......
生け花
畑ではコントラがブンブン音をたてライ麦の収穫に走り廻っているが
目を少し上に転じれば、今年もウエモンズハート前のトチノキが、開花時期を迎えた。
隣の辛夷の白い可憐な花は、入院時期と重なり見る事はできなかったけど、ルピナスとの花を枝先に満載した様なトチノキをついつい見上げてしまう。
居間でも眺められる様に一房手折ってくる。
6月1日
一晩過ぎた今朝も頑張って可憐な姿を見せてくれている。
因みに老父によれば「ロウソク花」とも言うそうだ。
遠望すれば木の枝先に無数のロウソクの灯明が灯ってもいる様だ。
そういえば、仏教の曼荼羅絵図にも見える
合掌
収穫
先日ライ麦が出穂期を迎えたことを報告しました。
そして一昨日(29日)刈り取りをし、
今日コントラを頼んで、ライ麦を収穫、そしてバンカーサイロに詰め込んでいた。
ライ麦の若刈りサイレージを作るのは、広瀬牧場史上初の試み。
どんな餌が出来るのか、楽しみだ‼️
夕陽
5月29日午後6時30分丁度。
西の空に夕陽が......
薄く靄がかかっていたせいか、直視出来る。
見るにつけ、太陽らしい光芒も無く熱量も今一。
何か物悲しい。
齡73の我身に重ねてしまう。
消費者との溝埋める
今朝の業界紙11面から
「消費者との溝埋める」とは、今の米騒動を受けての、千葉県船橋市の松戸市長の言葉だ。
農家が再生産できない米価で大変だった時は、誰も問題視していなかった。
野菜がこんなに安く売っているとテレビで報道している時、誰一人として「農家はこんな値段で売っても大丈夫ですか」とは言わない。
反対に米や野菜が値上がりすれば、生活に直結しているだけに消費者は敏感だ。
その溝を埋める為には、消費と生産の距離を近づけることが必要。とある。
おおいに、大賛成だ‼️
今から40数年前、1980年代の事。
ガットウルグアイラウンドで例外なき自由化が採択され、日本は牛肉オレンジの自由化を受け入れた。
その結果日本農政も、乳価も国際競争力をつける為経営規模拡大や一頭当たりの生産量を増やすなど、
価格低減のための経営努力が必要と酪農家にプレッシャーをかけていた。
そんな動きを反映してスーパーなどでは牛乳の特売や安売りが続いていた。
そんな折、スーパーのバイヤーが「1円でも安く、と言うのが消費者ニーズですから」と言う声がテレビから聴こえてきた。
また、時代の寵児スーパーダイエーの中内社長も「我々はきちんと利益を出しており、損をしてまで牛乳を売っている訳ではない。」とのたまうばかり。
当時労働環境も議論されていて、日本人の年間総労働時間は2,500時間余り。
欧米などは既に2,000時間を切り、夏には1ヶ月以上の長期休暇を取るのが当たり前で
1,500時間を切ろうと言う勢いで、日本人は働き過ぎとも言われていた。
その結果、完全週休2日制が導入された。
翻って、休みの無い我々酪農家は、規模拡大も相俟って一人当たりの労働時間は4,000時間を優に超え、
夫婦で7,000〜8,000時間もの労働を強いられている。
それもサラリーマン一人の稼ぎに追いつけない状態だった(今でもそうだが......)
労働時間一つを取ってもこれだけ不公平な社会で、更に安い牛乳をと言う世論に疑問を感じでいた。
漸く結論めいた話し。
そこで「消費者に酪農の現状を伝えなきゃ」と言う思いで、
1991年(平成3年)、一般消費者が自由に見学できる、見学室付きの搾乳施設、名づけて「見るキングパーラー」を建設する。
そして1999年(平成11年)広瀬牧場ではジェラートショップ「ウエモンズハート」を開設。
全国では消費者に生産の現状を知ってもらう活動「地域交流牧場全国連絡会」が組織される。
2004年(平成16年)には、生産者自からも発信する事の重要性に鑑み、食育基本法も制定され現在に至るのだ。
つまり、生産者も消費者に生産現場を開放し、現状を伝えることも「農作業」の一環として実施すべきだ。