ついふらっと
昨日の道新から
最近、居酒屋が昼飲みできるような営業形態になりつつあるとのニュースだ。
早いところでは朝7時から、と言う店もある様だ。
そう言えば百姓仲間の同級生にも3人ほど昼間っからビールや焼酎を飲んでいる奴らがいる。
その一人。
家業の酪農を継いだ頃「うちの親父は昼間っから酒を飲んで、畑にも出てこない。この忙しいのに!」と愚痴ばかり言っていた。
さて息子に経営移譲した途端「役に立たん年寄りがウロウロして邪魔だって怒られるくらいなら、家に引っ込んでいる方が良いからな」
と言い訳しつつ、昼間っから酒を飲んでいる様だ。
なるほど自分も最近「知らぬが仏」と、牛舎に近寄らない様にしている。
酒は飲んでいないが!
ここ数年同年代の仲間と夜の飲み会だけでなく、月一くらいで昼メシも一緒しているが、
酒は勿論無しだ。
しかし皆んな"老いらく"の身。
「たまに昼間っから一杯やるか」と言い出したら"ついふらっと"昼飲み始めてしまうかも。
くわばらくわばら‼️
相性
今回入院した11日、術前の幾つかの検査に血液検査が有った。
入院の荷物を所定の位置に片付けて病衣に着替えて待っていると、
若い看護師がやって来て「今日日中担当の○○です。これから採血させていただきます。」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします」
「腕のバーコード見せて下さい」
「ハイ」とネームバントをつけた左腕を差し出す。
「ピッ」とバーコード読み取り機が鳴る。
「お名前をお願いします」
「ヒロセ フミヒコです。」
「それでは、サンプル4本採らせていただきます。」と、血液採取作業が始まる。
始めは左腕に「チクッ.........」。
そして右腕にも「チクッ......」
イヤイヤ、やっぱり左腕かと「チクッ...」
3度目の正直。ようやく4本のサンプルを採取し、終了。
そして10分後先程の看護師が枕頭に来て「ゴメンなさい。後2本採血させて下さい」と済まなさそうに言うでは無いか。
「いっぺんににやれよ」と心の中で悪態をつきながら、口では「イイよ」と大人の対応だ。ダテに年は喰っていない。
と、言うか「近頃、些細な事でにでも声高に文句をつける高齢者クレーマーが増えている」とのニュースが脳裏に浮かび、口をつぐんだだけだが...
先程の"3度目の正直"の左腕を差し出すと、もたつきながら「チクッ......」
またまた「ゴメンなさい、今度は手首見せてもらえますか」と右腕の肘から先、手首、手の甲までまさぐり、
ようやく決断したように「この手首の血管から採らせて下さい」
そして「チクッ...」やっとの様に、採血が始まって安堵したのか件の看護師が「ゴメンなさいね、どうも血管との相性が悪い様ですみません」と、よく有る事の様に言うでは無いか。
「お前が下手くそなだけだろう」の言葉を飲み込みながら「相性ってあるんですか?その言い方を借りると、担当医が胆嚢切除手術中、この患者との相性が悪いからと言って身体の中をズタズタに切り開くのかな。
まさかそんな事無いよね⁈」と、嫌味な言葉がつい口をついた。
(この言葉、高齢者による理不尽なクレームかな。"
せめて「下手ですみません」と素直に謝ってくれたら、オレだって「こんな腕でいいなら、上達するまで何度でも貸すよ」と言うくらいの度量くらい持ち合わせているんだ
(威張るほども問題じゃありませんが小さい人間ですみません)
そして数分後、別の年嵩の看護師がやって来て「すみません、サンプル足りなかったようなので、もう一度採らせて下さい」と言うでは無いか。
果たして仇を取りに来たか⁈と思いつつ右腕を差し出すと「チクッ」。
「はい終わりました。ありがとうございました」とアッという間に帰って行くではないか。
「相性が悪い」なんて逃げていないで、素直に技術を磨けよ。ねぇ看護師さん
なんと無く「イトカワ」⁉️
3日前の16日、病院の枕頭台の上に小さなタッパーに入った小さな「黒い塊」が目についていた。
今日午前、手術後の血液などが腹腔内にたまらない様排出する為に入れていたドレンが抜かれた。
結構痛かったが「江戸以前の武士の切腹を思えば、何の此れしき」と歯を食いしばった。
イヤイヤ本題だ。
午後看護師に「コレなーに」と聞いてみると、それが問題の「胆石」ですよと教えてくれた。
真っ黒な塊で1円玉と比べても随分と小さい。
こんな小さな物が悪さをしていたのか?
看護師も、コレは小さな方で、この大きい方の4~5倍もある方も結構いますよと言うではないか。
大きさが病の優劣では無く、胆管に転がり出た胆石が身体に変調をもたらした筈だが、
なんと無く大きさで優劣をつけたがる。
しかし、考えてみると漢方の「熊の胆」と同じ性質の物か⁈
興味が湧いて目を近づけてみると、表面は撫でたようにツルっとしている。
この胆石を見ていると、10余年前のニュースを思い出した。
そう、通信は途絶え、宇宙を彷徨っていながら奇跡の生還を果たした探査衛星「はやぶさ」が、
初期の目的の小惑星「イトカワ」の地上サンプルを持ち帰ってきた。
そのニュースの「イトカワ」がこれだ。IMG_6011.webp
似てるよなぁ‼️
いよいよお別れ
もう間もなく手術室に呼び出される。
73年連れ添った「胆嚢」ともお別れか。
この後どんな人生が待ち受けているのか?
先生は何も問題ないと言う。
したり顔の友人は「脂っこい物は食べられ無くなり、食べすぎると下痢をするんだぞ、とか......」
はたまた他の友人は「簡単に言うけど、必要だから身体にそなわっているんだろ」とか
そりゃそうだけど......
こんなんだったら、入院前に平和園或いは有楽町のジンギスカンを腹一杯食べておけば良かった。
後悔先に立たず、か!
73年の人生を振り返ると、自分の身体から失った物が幾つかある。
20才の時、虫垂炎で盲腸を切除
43才の時、肺がんの疑いで右肺上葉を切除。術後、癌では無く、気管支嚢胞とわかる。
65才の時、右膝の内側の筋芽細胞10g切除。尤もこの細胞はシート状(ハートシートと呼ばれている)に培養され、
2ヶ月後に自分の心臓に移植。この筋芽細胞は、増えて自分の体に戻って来ているが......
そして73才の今日、胆嚢切除だ
人生、色々な別れがあるものだ