いよいよお別れ
もう間もなく手術室に呼び出される。
73年連れ添った「胆嚢」ともお別れか。
この後どんな人生が待ち受けているのか?
先生は何も問題ないと言う。
したり顔の友人は「脂っこい物は食べられ無くなり、食べすぎると下痢をするんだぞ、とか......」
はたまた他の友人は「簡単に言うけど、必要だから身体にそなわっているんだろ」とか
そりゃそうだけど......
こんなんだったら、入院前に平和園或いは有楽町のジンギスカンを腹一杯食べておけば良かった。
後悔先に立たず、か!
73年の人生を振り返ると、自分の身体から失った物が幾つかある。
20才の時、虫垂炎で盲腸を切除
43才の時、肺がんの疑いで右肺上葉を切除。術後、癌では無く、気管支嚢胞とわかる。
65才の時、右膝の内側の筋芽細胞10g切除。尤もこの細胞はシート状(ハートシートと呼ばれている)に培養され、
2ヶ月後に自分の心臓に移植。この筋芽細胞は、増えて自分の体に戻って来ているが......
そして73才の今日、胆嚢切除だ
人生、色々な別れがあるものだ