...もう言わないよ。2
昨日までのあらすじ
年長になった「タカシくん」は、いくらお母さんが牛乳を飲むようにすすめても、いつの間にかジュースや清涼飲料水しか飲まなくなっていた。
困ったお母さんは、小学校に子どもが通うお母さんから、郷土学習で広瀬牧場を訪ねた後、子供たちが給食の牛乳を残らず飲む様になったと言う話しを思い出し、広瀬牧場を訪ねる事にした。
牧場ではお兄さんが、酪農家さんの仕事や牛そして牛乳についてタカシくんたちの質問に丁寧に答えてくれている様子が今日の後半部分だ。
牧場のお兄さんから色々話しを聞いた「タカシ」くんは、飲まず嫌いだったようで、再び飲む様になったとさ。
めでたし!めでたし!
牛乳きらいだなんて...その1
2006年にも牛乳余りで、厳しい生産調整があった。
その時帯広市農政部では子供達に牛乳への関心を持ってもらおうと言う意味で、絵本の作成を企画した。
そこで、日頃子供達を受け入れ牛乳の価値を伝える活動をしていた自分に白羽の矢が立ち、文章を書かせて頂いた。
それが下記の絵本の写真だ。
今日、明日に分けてアップして見ます。
砂上の楼閣
砂の上に建てた高い建物の事。
いくら立派な建物でも基礎がしっかりしていなければ、倒れ易い、と言う意味。
ここ2週間ほどニュースやマスコミ等で、牛乳を5,000t程廃棄しなければならない程需給が緩和しているとの報道がなされている。
23日の農業委員会総会開始前、一人の委員が「牛乳は大好きで毎日欠かさず飲んでいるけど、急に倍も飲めねーし!」などと申し訳無さそう話していたが、彼は重ねて「冬休みで学乳仕向けが余ると言うけど、夏休み冬休みは恒例なのに何故今年は余るんだべな⁉︎つい何年か前にはバターが足りなくて緊急輸入しなければなんて言ってたべさ!」と言うでは無いか。
これはコロナ禍と学乳ばかりでは無く、インバウンド推進政策による所が大きいようだ。ここ数年訪日観光客が増え続け、2019年は三千数百万人を記録した。その訪日客が、日本の牛乳は安心安全で合わせて美味しいと評価され、コンビニでの飲用牛乳の消費が相当数伸びていた事に加え、乳製品のお土産需要も相当高かった。それに連れてバターも緊急輸入か⁈と言うほど需給がタイトになっていた様だ。
自分も件の農業委員と同じく、当にその点が不思議で、Jミルクの職員にきいていたもので、知ったかぶりで説明した。
さて、日本の食糧自給率は36~37%と低迷を続けていると言う一つ現実がある。他方政府は日本の食料は、安心安全なので海外からの需要も高く、輸出に力を入れ、こちらも1兆数千億と農家の所得向上に寄与していると、政府は自画自賛だ。
日本の農産物の安心安全で高品質の強みを生かした政策は、コロナで国内需要とのバランスに綻びが出ている。さて輸出についても輸入国の都合でストップされたり、サプライチェーンの突発的な事件により滞る事も考えられる。
安心安全や高品質の強みを活かす政策は、「砂上の楼閣」で危うい!
但し、耕作放棄地を減らすと言う意味では、 一つの利点でもあるのだが...
でもやっぱり、食料自給率は上げなければ!
人間至処有青山
土屋直道君。
妹良子の婿さんで、自分にとっては義理の弟だ。
この妹夫婦は芽室町内で農業を営んでいる。
現在は長男の雅俊君と夏子ちゃん夫婦と4人仲良く力を合わせて、益々経営の伸張著しい優秀な畑作農家だ。
直ちゃん(直道君)は、今有る土屋家の繁栄は、一重に初代弥八おじいさんの開拓に対する熱い思いやその意思を硬く受け継いだ息子達(2代目で彼らの親世代)の不断の努力の賜物と、感謝の意と彼らの事績を顕彰し残そうと、渡道3代目となる従兄弟達と数年前から、情報集めに東奔西走し、このほど『人間至処有青山』と題する記念誌として結実した。
本の扉を開くと、最初の写真は初代の弥八さんはるさん夫婦がやさしげな眼差しでこちらを見つめている。
その土屋家は今から114年前の明治39(1906)年、現在の岐阜県安八郡神戸町から現在地に開拓に入った様だ。
明治39は未だ根室本線の狩勝峠は開通しておらず、青森から釧路まで船で来てそこから列車で十勝帯広に入った様だ。そして帯広川の縁を伝って現在地に到着。開拓の鍬が下ろされたようだ。
この記念誌、写真や年表もふんだんに掲載され、最後には114年に亘り繋がっている親類縁者の系図が幾重にも折り畳まれて綴られている。
労作だ!
直ちゃんの長男雅俊君は、地域の仲間達と落花生を地域の特産物に育てようとがんばっている。
土屋家は、今後益々繁栄する事請け合いだ。
戦利品
上の製品は何れも帯農の生徒達が商品化し、アグリス(帯農敷地内に有る帯農ブランドの売店)で販売している商品だ。
10月29日には酪農科学科が。昨日11月26日には食品科学科の生徒たちが農場見学に来てくれた際のお土産だ。しかし母校の隆盛と後輩達の頑張りが嬉しくて、中々手が付けられない。賞味期限間近になる迄、眺めて楽しもう。
近年、農高で講演をさせていただいたり、毎年のように見学に訪れてくれるのだが、我々が在籍した、え〜と...⁉︎55年前。そうか半世紀も前か...。その頃との決定的な違いを、まざまざと感じざるを得ない。
我々が在籍していた頃は女子生徒は皆無。我々はS42年入学組なんだけど、2日間に亘る受験当日、受験生の一人が、今年の酪農科には3人の女子受験生が居ると聞いていたけど、その受験にすら顔を出してもいない。残念。とボヤいていたものだ。しかし、現在は女子生徒がかなりの割合で入学してきているようだ。
先月の酪農科学科では39人中7〜8人の女子生徒がおり、『おー、隔世の感だなぁ!』と独りごちていたが、昨日の食科は女子だらけ。1人の子に聞いてみると、男子7人に女子32人との事でホントに驚きだ。
近年言われている所の男女共同参画が、農業の世界でもすごく進んでいる。
農業の未来は明るい!!
さて、ポテトチップスにトマトジュース、そしてブルーベリージャム。
食べるの楽しみ!