改元
   中村草田男の作品に、「降る雪や 明治は遠く なりにけり」と言う俳句があった。齢を重ねる毎に、つくづく味わいのある俳句と感じる様になって来た。
   平成も今年の4月末で終わり、新しい元号を様々に思い巡らしている人も多い事だろう。
   昭和天皇が崩御され、昭和が終焉を告げたその時、自分は37才を迎える直前でJC入会2年目の時だ。時の小渕官房長官が墨で「平成」と書かれたパネルを顔の高さに掲げ、「外平らけく内成る」と言う意味だと説明していた映像が今も脳裏に浮かぶ。この平成は自分が最も自分らしく生きた30年でも有った。平成3年には、病弱な家内に負担をかけず酪農を継続する為にミルキングパーラーを建設した。更に牛乳が出来るまでを伝えたく、搾乳見学室をもうけた。これが図らずも酪農教育ファーム活動が全国的な活動となる嚆矢となる。更には見学者の方々から「広瀬牧場の牛乳を飲んでみたい。乳製品は作っていないの?」との声の高まりから平成11年、ジェラートショップ「ウエモンズハート」を開設するに至る。所謂6次化にも先鞭をつけた。平成13年から7年間「地域交流牧場全国連絡会」会長も務め、その間47都道府県の大半を訪問させて頂き、ヨーロッパ特にフランスには計5度訪問する機会も頂いた。この交流牧場のかつどうは、平成16年の国による「食育基本法」制定の契機となった。
如何にも、我が世の「平成」であった。
   しかし人生、思わぬ所に陥穽があるもので、平成25年頃から「特発性拡張型心筋症」と言う難病を発症し、周りの人達や家族に支えられながらの闘病生活が始まる。この病気では余命宣告も受け、遠からず70才前後でオレの人生も終焉を迎えるものと覚悟を決めたものだ。
   しかし物語は尚も続く。真実は小説よりも奇なり!だ。
   何度もこの「よもやまばなし」にも書いた通り、小山先生が、ハートシート移植の第一人者阪大の澤教授を紹介して頂き、平成29年夏、奇しくも余命宣告時計を止めて頂いた。と同時に十勝を舞台としたNHKの朝ドラ「なつぞら」には脚本作りから酪農指導という形で手伝いさせて頂いている。
   失ったと諦めていた自分自身の老後も、新元号に変わる今年2019年から始まる。
   長々と書き綴ってきたけどオレの考える次の元号は、少々飛躍し過ぎかも知れないが、日本の食料庫十勝の時代の到来を象徴して「夏空」では如何か?イヤ余りにも十勝贔屓で狭量に過ぎるかも知れないので、農耕民族日本を象徴して「瑞穂」はどうだろう⁈
夏空元年。N元年?
瑞穂元年?M元年?
瑞穂はMizuhoでM。明治もMeijiでMと同じで紛らわしいので、矢張り夏空元年では如何⁈
   
  
1月13日日曜日晴天
   医者から冬は風邪の季節なので、外出時はマスクをつける様指導されているせいか、最近外に出る時間が少なくなっている。イヤ、なまくらなだけか!
   昨日朝住宅のアプローチを抜けて6線道路に出て西を見ると、朝日を受けた日高山脈が目に眩しい。路巾標識ポールの右に剣山が見える。我々が高校生の頃には登山遠足が有ったが、今はどうなのかね⁈我が家からは直線距離で約45km先だ。
少し左に目を転じて見ると、日高山脈中帯広市に有る最高峰で2,000mを越すポロシリ岳だ。ここは45kmの距離だ。
300間南の7線から真北を望むと、我が家の全景が見えてくる。その上には大雪山系がクッキリと見える。ここも約40km先だ。それにしても、手前の前塚さんの牧草地を見てもわかる通り雪が無い。
  同じ7線から少し左、北北西を見ると、北海道の屋根の十勝岳、旭岳、黒岳などが80km先に見える遠すぎて小さくしか見えないが...
さて、今朝の道新には帯広地方の明日15日には雪マークが付いているが、いよいよ雪が降るかな⁉︎

雪が無い...
   ウエモンズハートの店先
体験教室から6線道路も...
裏の畑もデントコーンの切り株が見える。
いくら小雪の十勝とは言え、ここまで降らないのも珍しいことだ。
昨年6月もひと月寒冷で降雨の毎日だったが、何も異常気象の現れなのか?
因みに、今月22日からここ十勝を舞台に「なつぞら」の冬バージョンの撮影が予定されているが、こんなに雪が無くても大丈夫か?
定期検査
    「仕事始め」では無いが7日、夫婦揃って札医大の小山先生の診察を受けて来た。正月明けだからか、こんなにも病人がいるのかと驚くほど患者がひしめき合っていた。自分もその一人だが...。いや、これ程ひしめき合う患者の中でも、夫婦揃って循環器科のしかも同じ先生の診察を受ける「オシドリ患者」はいないだろう。心臓病1級障害者の妻と、と心臓の指定難病の亭主。所謂「病病介護」か⁈
   7日の診断結果は、昨年来の良好を維持できているとの事。自覚的にも悪化はしていないなと思いつつ、先生の一言で、「思い」が「確信」になりホット一安心。
   胸部レントゲンでは、ペースメーカーのCRT-Dの位置の確認と、心臓肥大が無いか見るのだが、何れもOK!だ。
又血液検査の結果はbnpが28.5(正常値は0〜15)と超良好。一昨年のハートシート移植手術前は700超えで、歩く事もままならなかった事を思うと、当に隔世の感だ。
   今後はペースメーカーの寿命も来年早々に切れるが、ギリギリを待たず年内に入院し交換手術を受けることになる予定。
   結果オーライを受けて、その夜は従兄弟夫婦と祝杯だ。
あけおめ
  平成31年も穏やかに明けました。

   新年明けましておめでとうございます。
昨年は、持病となってしまった拡張型心筋症の症状が好調のまま推移し、阪大での2度にわたる検査でも、お墨付きを頂きました。
おかげ様で、酪農指導という形で4月から始まる「なつぞら」のお手伝いが出来た。今年も引き続き撮影に立ち会う予定で、脚本のチェックも続いて今日、年明け早々に17週目の準備稿が届いた。
   振り返ると、1月は阪大で10日間ほどの入院検査。
2月には農業委員会の研修で四国を視察。
 5月は熊本から舞鶴まで、車で山陰地方を走り抜けた。
6月は「なつぞら」の撮影立会。
8月は大阪で阪大主催、重症心不全、心移植の集いに出席
9月は酪農教育ファーム活動20週年記念フォーラムにも出席。
10月、阪大検査入院10日間。
11月は廣瀬家渡道100年記念式典開催。
12月には渡道100年記念誌「賢者は歴史に学ぶ」を上梓。
平成29年にはハートシート移植を受け、兎も角心筋症も安定させていただき、30年は多忙な一年を駆け抜ける事ができた。
支えてくれた全ての人に感謝しかありません。ありがとうございました。
本年も生あることを感謝し、がんばります。
 




					
				
