言い伝え
我が家では毎朝、搾りたての牛乳を鍋で沸かし、朝一番にその牛乳を仏壇の先祖に供え、
灯明を灯し、線香を二本二つ折りにしてロウソクの灯から灯を着ける。
線香の先に火が着くのを確認してから、手で煽いで炎を消し線香立て(香炉)にねかせて入れ
おりんを二度鳴らす。
そして手を合わせながら「今日も無事、変わらぬ一日が始まりました。家族一日普段通り過ごせる様、見守り下さい」
と唱える。それを一日も欠かさず続けている。

手を合わせながら、「先祖の皆んなが牛乳を楽しんでくれているだろうか」とおりんの余韻を愉しむ。
その余韻が聞こえなくなると、仏壇の中の阿弥陀さんを眺め先祖の繰出を眺める。
ふと線香立に目を遣ると、その煙が何の揺らぎも無く一直線に立ち上っている。
「煙が真っ直ぐ立ち昇っているから、今日はいい天気になりそうじゃな」と曽祖母の声が
蘇って来る。




