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2019年1月15日(火) 06:44

改元

中村草田男の作品に、「降る雪や 明治は遠く なりにけり」と言う俳句があった。齢を重ねる毎に、つくづく味わいのある俳句と感じる様になって来た。
平成も今年の4月末で終わり、新しい元号を様々に思い巡らしている人も多い事だろう。
昭和天皇が崩御され、昭和が終焉を告げたその時、自分は37才を迎える直前でJC入会2年目の時だ。時の小渕官房長官が墨で「平成」と書かれたパネルを顔の高さに掲げ、「外平らけく内成る」と言う意味だと説明していた映像が今も脳裏に浮かぶ。この平成は自分が最も自分らしく生きた30年でも有った。平成3年には、病弱な家内に負担をかけず酪農を継続する為にミルキングパーラーを建設した。更に牛乳が出来るまでを伝えたく、搾乳見学室をもうけた。これが図らずも酪農教育ファーム活動が全国的な活動となる嚆矢となる。更には見学者の方々から「広瀬牧場の牛乳を飲んでみたい。乳製品は作っていないの?」との声の高まりから平成11年、ジェラートショップ「ウエモンズハート」を開設するに至る。所謂6次化にも先鞭をつけた。平成13年から7年間「地域交流牧場全国連絡会」会長も務め、その間47都道府県の大半を訪問させて頂き、ヨーロッパ特にフランスには計5度訪問する機会も頂いた。この交流牧場のかつどうは、平成16年の国による「食育基本法」制定の契機となった。
如何にも、我が世の「平成」であった。
しかし人生、思わぬ所に陥穽があるもので、平成25年頃から「特発性拡張型心筋症」と言う難病を発症し、周りの人達や家族に支えられながらの闘病生活が始まる。この病気では余命宣告も受け、遠からず70才前後でオレの人生も終焉を迎えるものと覚悟を決めたものだ。
しかし物語は尚も続く。真実は小説よりも奇なり!だ。
何度もこの「よもやまばなし」にも書いた通り、小山先生が、ハートシート移植の第一人者阪大の澤教授を紹介して頂き、平成29年夏、奇しくも余命宣告時計を止めて頂いた。と同時に十勝を舞台としたNHKの朝ドラ「なつぞら」には脚本作りから酪農指導という形で手伝いさせて頂いている。
失ったと諦めていた自分自身の老後も、新元号に変わる今年2019年から始まる。
長々と書き綴ってきたけどオレの考える次の元号は、少々飛躍し過ぎかも知れないが、日本の食料庫十勝の時代の到来を象徴して「夏空」では如何か?イヤ余りにも十勝贔屓で狭量に過ぎるかも知れないので、農耕民族日本を象徴して「瑞穂」はどうだろう⁈
夏空元年。N元年?
瑞穂元年?M元年?
瑞穂はMizuhoでM。明治もMeijiでMと同じで紛らわしいので、矢張り夏空元年では如何⁈

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