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2017年12月17日(日) 18:10

男の子女の子

昭和30年代、それまで荷物の運搬の用に供されていた大八車に代わり、リヤカーという金属のフレームとスポークリムにゴムタイヤ履きの荷車が流行った。
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薪や沢山の鳰、牧柵の杭、大量の青草や乾草など人間が一度に運び切れない時には重宝したものだ。勿論子供も一緒に引いたり、後ろから押したりと手伝いをさせられた(決して進んでの手伝いでは無かったが)。
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そのリヤカーにまつわる苦い思い出がある。
私の通った帯広西小学校は国道38号線沿いに有り、その学校の北1.5kmの所に我が平野の母なる十勝川が悠然とながれている。又学校の南にはその支流の帯広川が流れていて、そんな地理的要因か小学校高学年の遠足は何れかの川に行く川狩りが恒例で子供達の楽しみな行事の一つだ。
その時は十勝川行きだった。クラスでの事前の話し合いも皆熱がこもっていた。どんな遊びをする?水泳パンツは?焚き火で作る昼ご飯は何にする?その材料は?焚き付け、マッチなどを忘れたらそもそも煮炊きが出来ないし、暖がとれない!最悪だ!
最後には、自分で手を挙げたのか指名されたのかは覚えていないけれど、それを運ぶためのリヤカーをオレが出す事になった。そして当日、夫々割り当てられた物を持ち寄りオレが一里の道を引いて行ったリヤカーに荷物を積み込み、勇躍いやワイワイガヤガヤと十勝川の河原へと向かう。
日本手拭いですくったカジカのこどもの釣果を競い、河原を掘った水溜りにいれたり(あのカジカのこどもは今頃どうしているだろう⁉︎川に戻さず帰って来てしまった様な...⁈)、水切りをしたり。一時間ほど思いっきり遊んだ後いよいよ昼食作りだ。玉石を集めてかまど作り。男の仕事だ。しかもご飯用とカレーのルー用と二つ準備。米を研いだり、野菜を刻むのは女の子だ。火加減は女の子の指示で足りなくなりそうな薪木を集める。役割り分担はハッキリしていたな⁉︎
カレーは ハッキリ言って、マズかった!(この記憶は確かだ!)

そして国道の北の生徒は学校に戻らず、三々五々別れて帰る。

学校で解散後オレは、一人空になったリヤカーを疲れ切ったやせ馬の如くトボトボと引いて帰るが、何故か無性に寂しく悲しかった。

数日前、11才下の妹の小学時代も同じ様に川狩り遠足があり、矢張り家からはリヤカーを提供したそうだ。
違うのは、妹は女の子!という事でクラスの男子数人がリヤカーを借りにきて、更にその荷台に馭者の如く乗って帰ってきたとか!

なんだかなぁ。この違い⁈

その時の自分を慰めてあげたい!

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