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2018年4月 8日(日) 07:17

農業

今、廣瀬家の渡道百年誌を作成しているが、我が家の北海道100年は農業者としての歴史でもあるが、農業に限って遡れば更に2、300年の歴史を数える。そのせいか、『農』と言う字や映像に直ぐ反応してしまう。
昨日の農業新聞に、『農家の苦労』と題したコラムが載っていた。
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業界誌『農家の友』に掲載された作家小檜山博氏うのエッセーを引用したものだが、「そうだ、そうだ」と思わず頷いた。
『1975年頃、牛乳は終戦時の4倍、米は19倍に値上がりしていた。ところが都会で働く人の賃金は、何と64倍にも上がっていた。農家が1年近くかけて農産物を栽培して得た収入を都市労働者はたった3、4か月で手にいれていた』と紹介する。
自分は23才。振り返って見ると離農が格段に進み始めた頃と符合する。賃金もさる事ながら、労働時間の短縮、所謂時短も進み、半ドンの土曜日は休日。更には祝祭日の増加にハッピーマンデーの導入。この労働時間を忠実に体現している業種は地方公務員かな⁈単純計算だが年は54週なので土日は108日。祝祭日は15日くらいかな⁉︎他には有休も何日か!108+15+α=123+α。365ー123=約240日ー10日位が実働日数×8時間=1840時間−240時間の昼休み=1600時間か⁈
翻って酪農はと言うと...
搾乳3.5時間×2回×365日=2555時間(搾乳のみ)×3人=7665
寝わら3時間×50回=150時間
繁殖検診3時間×24回=72時間
農作業6時間×150日=900時間×1.5人=1350時間
(7665+150+72+1350)÷3=3079時間→雑駁ながら、酪農家一人の年間労働時間。
ブラック企業そのもの
先程のコラムは牛乳の価格から計算しているが、労働時間からみても家族3人合わせてようやくサラリーマン1人と同じ所得と言うことは、時間あたり6分の1の労働対価しか得られていない。
なるほど、農村部から都市部への人口の一局集中が止まらない筈だ!
安倍総理や規制改革会議がJAなどの体制を壊し、個々の農家の努力で六次化や安心安全な農産物の輸出を推進し、農家所得の向上を図るとしているが、全ての農家が対応出来るはずもないし、一義的には非常時に国民の食を守ると言う食糧主権を確保する責任が政府にある筈。
政治に対しては、農家が普通に(と言っても難しいが)営農し生活できる環境作りが望まれる。

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