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2020年1月14日(火) 18:54

或る老後...

 今日、勝農酪農科の同級生E藤君所有の山林を譲り受ける手続きを行なって来た。約6.5haの面積だが、その8割は高台に挟まれ大水の度に川の流れが変わる湿地で、植樹も出来ない様な土地だ。
そんな二束三文の土地をなぜ購入したのかって?
東京に住む三男からの「夢を買うんだったら価値の多寡など関係ないんじゃ無い⁈」との一言が自分の背を押したのだ。
 話しは変わって、父博昭はこの近くで生まれ育ち11才まで暮らした土地で、現在の居住地帯広に昭和13年に引越した後、高台で傾斜の多い11haにカラ松を植樹し、残りの25haは近隣の農家に貸していた。戦後の農地解放でその25haは小作人に売り渡したが、カラ松を植樹した11haの所有権はそのまま残り、現在迄80余年所有している所謂第一世代の山林だ。
 その父が、15年程前からその近隣の山林を買い集めていて、現在75ha程にまでの規模になっている。
 山林を買い集め始めた当時の、その父の言い分はこうだ。
「おれも随分と年を取った。この年になって感じる事は、十勝川の鮭と同じ様に無性に生まれ故郷に戻りたくなるもんだ!」と。
 又、揖斐の旅でも触れたが、祖父種治も80才を過ぎた頃から「揖斐に帰りたいもんだ。」と言っていた。
 かく言うオレは、此処で生まれ、育ち、生計を営んで来たが、はてさて、何処に帰りたいのか⁈生まれて70年になる我が人生はここから動いた事は無いし...

間も無く93才になる父は、少しずつ買い足している林地の内、南東方向に少し目の前が開けた場所に10坪程の山小屋を建てた。24A289D6-57AC-4C2F-BBC8-5C14C044CEAA.jpeg
その小屋のすぐ脇に井戸を掘りそこから水をポンプで汲む為屋根にソーラーを設置。スイッチひとつで水が出る事がわかり、次はユニットバスを取り付け昼間っから風呂に入る。更にはテレビを設置。最近は薪ストーブでは部屋が温まるのに時間がかかるらしく、ポータブルの石油ストーブも購入。
更には廣瀬家の地蔵堂まで建て、7/23日を先祖供養の日にして子供達を集め、先祖の苦労を偲ぶ日にしている。
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兎も角際限が無い。そんな父博昭は、街灯一つ無い漆黒の闇に包まれた山小屋には、心細く一人では泊まれず、母をなだめ、透かしながら伴い、泊まりに行くのを無上の楽しみにしている。
 老父の夢の手伝いが出来るのも幸せな事だ。
 

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