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2018年2月 2日(金) 18:05

2月2日

昭和38年2月2日未明の事だから、55年も前のこと。
ハツばあちゃんが数え年88才で息を引き取ったその日。つまり今日は祥月命日で、今は仏間の鴨居の上から家族を見守ってくれている。
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農作業が忙しい日々の両親、祖父母に代わって何くれとなく可愛がってくれた。
また、オレが1、2才の頃我が家で飼っていた綿羊(毛糸を作る為に)のオスが柵を壊して逃げ出し、住宅の引戸を頭で何度も突つき始めた。中々止めないのでオレが入れられていたイズコを隅に置いて三尺×九尺の飯台をバリケードにして身を挺して守ってくれたり...
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「 夏の風は太っていていくら窓を開け放しても入っては来られず、冬の風は痩せていて隙間から入ってくる。」と暑さ寒さを笑い飛ばし...
皮が硬いカボチャをスイカ割りよろしく「刀(脇差)」を振り落として割ったり...
切り傷には「ヨモギの葉をよく揉んで当てがったり」、やけどをした時などは「その部分に漬け物の白菜の葉を当ててくれる」。
年頃になって当時のガールフレンド(今の家内。断じて間違いない⁉︎)と喫茶店に行き、洒落てハーブティーなるものを注文して驚いた。「なんじゃこりゃ⁈藪の野草を乾して馬の冬用の餌にと蓄えていた馬草の匂いだ!ハーブって馬草かよ!」驚いてマスターに「ハーブの材料はなに?」と聞くとハッばあちゃんが生前よくゲンノショウコやドクダミ、クコ、ハコベなどなど医者要らず(薬草茶)の材料である野草(馬草)とほぼ同じ!今思えば経験と知恵で不便を不便と思わない古き良き時代の生き証人だった。
66才を迎える今日でも鮮明にまざまざと思い出す。
明治9年生まれのハツばあちゃん。例え11年とは言え、江戸時代の気風を色濃く残した彼女に育てて貰った時間は掛け替えの無いものだ。

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