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2017年9月24日(日) 12:43

浮世のバカ

朝起きて、階段の踊り場から昨日刈り取りの済んだ畑を眺める。

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昨夜結構な量の雨が降ったらしくあちこちに水たまりが出来ている。
綺麗に片付いている畑を見て、雨前に片付いた安堵感と同時に今日の刈り取りは予定通り進められるのか気になりだした。
長男によると、朝早めにコントラの担当者と今日の予定の畑の様子をを見て、作業の進め方を決めるとか...
他の仕事とのかね合いや差し替えに考えを巡らし次の仕事を決めるのはゴーイングマイペースだ。そして親方業の醍醐味でも有る。

オレが子供の頃明治9年生まれの曽祖母が元気で、農作業に忙しい両親に代わって何くれと無く面倒を見てくれた。

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特に妹が生まれてからと言うもの、夜も同じ布団に寝かせて貰った。
布団に入って横になると「はつばあちゃん」は決まって、「あ〜あ!今日も終わったか」と大きく一呼吸し、「寝るほどラクな事は無かりけり、浮世の馬鹿は起きて働く!安楽、安楽!」と口癖の様に言っていた。
疲れと言う意味をまだ知らないオレは「寝ると楽なの?」と無邪気に聞き返したものだ。

ここ数年経営移譲の準備と称して、仕事の切り盛りを長男に少しずつ任せて来た。そんな中「拡張型心筋症」などと言う難病を患い入退院を繰り返すようになり、体が動かせない分口うるさかったのだろう。そして昨年末、わたしが65才と高齢者の仲間入りを果たし、年金も貰える様になり、ここが潮時と酪農部門は長男に経営移譲した。
この経営移譲と相前後するように昨年10月からの一年、延べで8ヶ月入院を余儀なくされ、長男の仕事に口を挟む余裕など無かった。
そしてこの一年で気がついた事は、自分が一々口を出さずとも自分と作業の手順が違っても年は越せたし、今年も何とかなりそうだ。

今朝畑を眺めて、今日の作業はどうなるのか?と脳裏をかすめただけで、居間で両親や家内とお茶を飲みながら世間話。

農家仲間に言いたい。友よ、痛い足腰を引きずり、伸びなくなった腰に手を当てながらあなたは何才まで働くの?
「あ〜あ、経営移譲するほど楽な事はなかりけり。浮世のオヤジ、息子に任せず先頭に立って働く!安楽、安楽!」か⁉︎

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